(上級編) Vol.4 インバウンドの波は本物なのか?


2016年6月の速報値が政府より出ました。

結果は、前年同月比23.9%増の198万5700人となり図1の下図の通り1172万人が半年で訪日しており、単純換算では2016年は2343万人の訪日が予想されます。日本政府は2020までに4000万人を目指しておりますが、2343万人という数字は、図2のシナリオ1が示すとおり、2016年に2379万人到達という数字に近くこの途方もない目標にペースとしはほぼ問題ないということがわかります。(2014年時点では2020年目標はなんと2000万人でした)

以下は私の作成した控えめな予測モデルですが、最近の政府による財政出動(量的緩和は日銀が行うもので異なる)の期待により円高が是正され1ドル=108円程度まで回復したため、シナリオ4の円高について修正を加え、政府の目標であるシナリオ1が実現する確率が高くなったと判断しました。

まだまだ、英国の離脱の影響によるイギリス経済の鈍化や、くすぶる新興国(特に中国・南米)のリスクやマイナス金利による不動産バブルの顕著化等経済へのリスクは多々あり、為替や海外の観光客の旅行マインドに関わる株・不動産の資産価値が下落する恐れはあります。

しかし、そのようなリスクの中でも今回の速報数値に示されるように、経済リスクに関わらず過去最高を記録する状況は、日本の世界的な観光地としてのブランド力の増加がそれらのリスクによる減少分を上回るペースで増加していると判断でき、控えめかもしれませんが、2020年時点までに3300-3700万人の観光客が見込まれ、その時には図3の通り2020年にも世界でTop10に入る本当の観光立国となる可能性が高まってきました。

図1: 訪日外国人数推移(2016年)

図2:2020年までのインバウンド動向の予測

図3:他国のインバウンド観光客数合計

参考文献:

トラベルボイス(http://www.travelvoice.jp/20160720-70858)

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